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レクタス会計事務所 堤昌之氏

堤昌之氏 レクタス会計事務所

レクタス会計事務所のある大阪市中央区島町は、江戸時代に京都と大坂をむすぶ三十石船が発着し、東海道中膝栗毛の弥次さん、喜多さんが上陸した八軒家浜のそばにあります。また大阪国税局、東税務署へは至近距離にあり、事務所からは大阪城が一望できます。その場所に事務所を構える堤昌之氏は、事務所の経営理念である「何事も徹底的にやる」という方針が支持され、経営者からの信頼が厚い公認会計士、税理士です。

まず独立された理由をお聞かせいただけますか?

監査法人勤務時代に、田坂広志氏の著作「仕事の報酬とは何か」(出版社:PHP研究所)という本に出会いました。その中で、「働くとは、傍(はた)を楽にすること」という言葉に感銘を受けました。開業前、監査法人と会計事務所に勤めていた時には、「傍(はた)を楽にする」ため徹底的に実践してきました。しかし自分自身がやりたいと思う事全てをできたわけではありません。やはり、自分の事務所を持たないことには自分の思い通りに仕事をする、サービスを提供することができないことを痛感し、独立を決心しました。

今一番、興味のあることは何ですか?

仕事です。と言いたいところですが(笑)、最近はまっているのが日本酒です。つい最近まで日本酒は苦手だったのですが、あるきっかけで日本酒の奥の深さを知ってから興味を持つようになりました。日本酒は、原料となる米の種類や米をどの程度まで削るか、また使用する酵母の種類などの組み合わせにより、本当にさまざまな種類があります。また、いろいろと勉強していくとラベルに記載されている表面的なことだけでなく、米を水につける時間、麹の処理の仕方など、目に見えない部分や手間のかかる部分、事前の下準備などをどれだけ丁寧に処理しているかということも、お酒の味を左右する大きな要因であるということがだんだんとわかってきました。そういう点で、酒造りは自分の仕事にも共通するなぁと思いました。日本酒は本当に奥が深いです。

なるほど、ところで会社経営で一番重要なことは何でしょうか?

経営者の方からは「当たり前のことを言うな!」と言われそうですが、やはり儲けることだと思います。一時的には不況の影響などで売上が落ち込むことはあっても、コンスタントに会社が儲かる、利益が増える仕組みを作る事が必要です。そのためには同業他社といかに差別化するか、組織をどう作っていくか。この2点が重要になってきます。特に組織づくりは、創業者、経営者のカリスマ的な能力に頼らずに会社が継続的に発展していくためには非常に大事なことです。

経営者として「上手くいかない人」はどんな人でしょうか?

私は今まで、公認会計士として監査に携わる傍ら、様々な会社が倒産していく様を目の当たりにしてきました。その経験から述べると、経営者として「上手くいかない人」とは「状況の変化に対応できない人」だと思います。例えば、毎月の決算は赤字、それに対して何ら対策を打とうとしない。こういう会社は早晩行き詰まります。これに対して、経営者として成功されている方は、会社が置かれている状況を即座に把握し、積極的に手を打たれているように思います。もちろん、空振りに終わるケースも多々あるのでしょうが、そういう経営者の方はとてもエネルギッシュでバイタリティに満ち溢れています。

なるほど上手くいかない人は手をこまねいて見ているだけという人ですね?

はい、そうです。変革する必要があるにもかかわらず、経営者によってはなかなか腰の重い方がいらっしゃいます。そのような場合には経営者の意識が変わるようサポートする参謀の存在が欠かせません。私は、経営者にそういったアドバイスをし、数値面から現状を説明するだけでなく、将来がどうなるのか、そしてどのような手を打てばいいのかについてもアドバイスするよう心がけております。

数値面からの現状分析も必要と言うことですね?

ええ、上手くいかないもうひとつのパターンとして、数字を把握していない人はダメですね。最低限、月次決算と事業別の損益を把握する仕組みは必要です。全然、お金が無いという場合には何か手を打たなければならないと気づき易いのですが、事業が儲かっていなくても現預金の残高が潤沢ですと、借入金が多額にもかかわらず、ついつい儲かっている錯覚に陥る経営者の方も多いです。経営者は、社員の家族を含めると社員数の何倍ものヒトの人生、生活に対して責任を担っているわけですから、責任は重大です。

そういったものを学ぶには先生にお願いすればよいのですね?

はい、もちろん。と言いたいところですが、なかなかやる気がないと私でも難しいですね(笑)。それより良い本をご紹介します。ミスミグループの会長をされている三枝匡氏の3部作「戦略プロフェッショナル」、「V 字回復の経営」、「経営パワーの危機」はどれもお勧めです。三枝氏が経営コンサルタントをされていた時の経験をもとにした事業再生の小説となっています。とても読みやすく、随所に経営学や経営理論の解説がコンパクトにまとめられているので、理論と実践を両方一緒に学ぶことができます。三枝氏は経営コンサルタントをされていた時「コンサルタントの無責任な言いっぱなしにならないように」を常に念頭に置いて仕事をされていたそうです。私自身も、そのスタンスだけは常に心がけています。

一流を目指すために必要なことは何だとお考えですか?

私自身がまだまだ修行中なので(笑)、人にとやかく言える立場ではありませんが、やはり現状に満足せず、常に一流を目指すという意識を忘れない事だと思います。そのためには一流の人、レベルの高い人と付き合う、自分自身に対しては不断の努力を惜しまない事です。またひとつに集中して、徹底的に追及する事も重要です。

徹底的に追求するとは研究すると言うことでしょうか?

はい、そういう事もありますが、あきらめず考え続ける、やり続けると言うことです。以前、ある会社のシステム開発の仕事をしていた時、数か月間、朝から真夜中まで担当者の方にヒアリングを行い、それを元にどういった仕組みが最適かということを考え、資料にまとめました。肉体的にも、精神的にもかなり大変でしたが、妥協することなく徹底的に議論し、考え抜くことにより、自分自身かなり成長することができたと思います。その経験は今も役に立っています。

事務所経営で心がけていることはなんでしょうか?

何事も徹底的にやるという方針を貫いています。具体的には常にお客様のことを考え、お客様がやってほしいと思っていることは先回りして、早め早めにアドバイスをするように心がけています。

●事務所

レクタス会計事務所

●所長

公認会計士・税理士 堤昌之

●所属

日本公認会計士協会近畿会、近畿税理士会

●所在地

大阪府大阪市中央区島町1-1-2 丸善ボタンビル5階

●電話

06-6942-5771

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